2015年1月14日水曜日

ECB、物価安定達成には緩和的金融政策が必要=ドラギ総裁


[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、独紙ツァイトとのインタビューで、ユーロ圏の物価安定の達成には緩和的な金融政策が必要との認識を示した上で、理事会はこの責務達成を決意している、と述べた。
ロイターより。

そもそも緩和的な金融政策とはなんであろうか。金融緩和政策には大きく分けて、1)政策金利(短期金利)を下げる、2)お金をたくさん発行して、市場への資金供給を増やす、という2つの方法がある。2番目の方法は量的緩和と呼ばれる。

金融緩和政策は何のために行われるのかと言えば、経済を刺激するためだ。低迷する経済に「復活してくれ」という思いをこめているのである。

ECBとは欧州中央銀行のことで、欧州の金融政策を一手に担っている。つまり、基本的にECBが欧州(ユーロ圏)の金融政策を決定するわけだ。

ECBは金融緩和政策を行いたいわけだが、すでに政策金利は0.05%まで下がっていて、これ以上、下げようがない。つまり、1)の金融緩和はすでに行っているのだが、欧州は依然として景気があまりよくないため、効果があったとは言いがたい。それで困っているのだ。

それでECBは2)の方法も取ることにした。量的緩和である。量的緩和とはお金をたくさん刷って市場にどんどん供給することである。これはバブルの原因になったりもするが、経済を刺激する効果があるのである。ちなみに量的金融緩和はアメリカ(QE)、日本なども行っている。

そうするとどうなるかと言うと、お金をたくさん刷って市場に出すわけだから、お金の価値がどんどん薄れていく。国内では、インフレ(物価上昇)という形になる。外国為替では、自国通貨の減価という形になる。

ユーロ圏はインフレ率が低いし、ドラギ総裁は金融緩和によってインフレ率を上げることが必要だと考えているのだろう。(インフレ率=物価がどれくらい上昇したかという割合)

マンデル・フレミングモデルという経済学の理論モデルから言えば、欧州での景気対策ではむしろ財政政策が有効となる(日本では逆に金融政策が有効である)。景気刺激をしたいのであれば、財政政策にもっと積極的になるべきだろう。